電線管サイズの選定表!E管・C管の違いと占有率計算を解説
電気工事において、電線管のサイズ選定は安全性と施工性を左右する極めて重要な工程です。
適切なサイズの電線管を選ばないと、通線作業が困難になるだけでなく、ケーブルの放熱が妨げられて火災の原因になることもあります。
本記事では、現場でよく使われるE管やC管の特徴をふまえ、正しい電線管サイズの選び方を解説します。
実務でそのまま使える選定表や、内線規程に基づいた占有率計算の方法もあわせて紹介します。
安全基準を満たした無駄のない配管設計を行い、現場の作業効率を向上させましょう。
この記事を読んでいただきたい方
電気設備の配管設計を担当しており、正しい電線管サイズを選定したい方。
現場での通線作業をスムーズに行うために、E管やC管の違いを理解したい施工担当者の方。
内線規程に則った占有率計算の具体的な手順を学び、安全な施工を実現したい方。
この記事を読むとわかること
E管(ねじなし電線管)とC管(薄鋼電線管)の構造や用途の違い。
電線の太さと本数から最適な管の太さを導き出せる電線管サイズの選定表。
ケーブルの断面積を用いた正確な占有率計算の方法と内線規程の安全基準。
現場でよく直面する管サイズ選びの疑問を解決する実践的なQ&A。
電線管の種類と特徴を理解する
電気工事で使用される金属製電線管にはいくつかの種類があり、それぞれ用途や施工方法が異なります。
サイズ選定を行う前に、まずは現場で主流となっているE管とC管の違いを正しく把握することが大切です。
E管(ねじなし電線管)の特徴と用途
E管は管の端にねじ切り加工が施されていない金属製の電線管です。
専用のねじなしボックスコネクタなどを用いて接続するため、現場でのねじ切り作業が不要となります。
作業の手間が大幅に省けることから、現在の屋内電気工事において最も一般的に使用されています。
管の肉厚が薄く軽量であるため、天井裏や壁面への露出配管など幅広い場所で施工しやすいのが特徴です。
C管(薄鋼電線管)の特徴と用途
C管は管の端にねじが切られている薄鋼の金属製電線管です。
接続にはカップリングやロックナットを使用し、ねじを締め込んで固定する仕組みになっています。
E管に比べるとねじ切り作業の手間がかかるため、近年では使用される頻度が減ってきています。
しかし、過去に施工された古い建物の改修工事や、特定の仕様が求められる現場では現在も使われています。
電線管サイズを決定する占有率計算の基準
電線管のサイズを決める際は、管の中に電線をどれだけ収めてよいかという基準を守る必要があります。
電線を詰め込みすぎると熱がこもりやすくなり、電線の被覆が劣化して短絡事故につながるおそれがあります。
内線規程が定める電線管の占有率とは
電気設備の技術基準を定めた内線規程では、電線管に収める電線の断面積の合計について上限を定めています。
一般的に、太さの異なる電線を同じ管に収める場合、管の内断面積に対して電線の断面積の合計が32%以下になるように設計します。
同じ太さの電線のみを収める場合は、条件がやや緩和されて48%以下まで許容されることがあります。
ただし、制御線など電流がごくわずかな線を収める場合は、さらに異なる規定が適用されることもあります。
基本的には安全性を考慮し、32%以下の占有率を基準としてサイズを計算するのが確実な方法です。
占有率計算の具体的な手順
占有率を計算するためには、まず使用する電線の仕上がり外径から断面積を算出します。
電線の断面積は半径に半径を掛け、そこに3.14を掛けることで求めることができます。
次に、その断面積に管へ収める電線の本数を掛けて、電線全体の総断面積を出します。
最後に、電線管の内断面積に0.32(32%)を掛けた許容面積と、電線の総断面積を比較します。
電線の総断面積が管の許容面積を下回っていれば、その電線管サイズで問題ないと判断できます。
実務で使える電線管サイズ選定表
実際の現場では、毎回細かく計算を行うのは手間がかかるため、早見表がよく利用されます。
ここでは、一般的なIV線(600Vビニル絶縁電線)を使用した場合の目安となる選定表を紹介します。
電線の太さと本数に応じたサイズ選定表
以下の表は、同じ太さのIV線をE管に収める際に必要となる最小の管サイズを示したものです。
内線規程の基準に基づいて算出していますが、曲がりが多い場所では一つ上のサイズを選ぶことをおすすめします。
| 電線の太さ(単線) | 3本以下の管サイズ | 4本の管サイズ | 5本の管サイズ | 6本の管サイズ |
| 1.6mm | E19 | E19 | E19 | E19 |
| 2.0mm | E19 | E19 | E19 | E19 |
| 2.6mm | E19 | E25 | E25 | E25 |
| 3.2mm | E25 | E25 | E31 | E31 |
※この表はあくまで目安であり、実際の施工にあたってはケーブルの種類や現場の条件に合わせて確認が必要です。
※CVケーブルなど仕上がり外径が大きい電線を使用する場合は、必ず個別に占有率計算を行ってください。
現場での施工性を高めるサイズ選びのコツ
電線管のサイズは、計算上の数値が基準を満たしていればよいというわけではありません。
現場での実際の作業性を考慮して、ゆとりのあるサイズを選定することが求められます。
余裕を持たせたサイズ選定の重要性
配管の距離が長い場合や、途中に直角の曲がりが複数ある場合は、通線作業時の抵抗が非常に大きくなります。
計算上は収まるはずのサイズでも、摩擦によって電線を引き込めなくなるトラブルが現場ではよく発生します。
通線にかかる作業時間や負担を減らすためにも、基準ギリギリのサイズではなくワンサイズ大きな管を選ぶのが賢明です。
将来的に電線を増設する可能性のある場所でも、あらかじめ大きめの電線管を敷設しておくことで改修工事がスムーズになります。
よくある質問(FAQ)
Q1. E管とC管で内径やサイズ表記は異なりますか。
A1. 呼び径の数字は同じですが、外径や内径の寸法がわずかに異なります。E管はE19やE25、C管はC19やC25のように表記され、接続に用いる専用の付属品もそれぞれ別のものを使用します。
Q2. 占有率の32%と48%はどのように使い分ければよいですか。
A2. 太さが異なる複数の電線を同じ管に収める場合は32%以下とします。すべて同じ太さの電線を収める場合は48%以下まで許容されますが、施工のしやすさを考慮して常に32%で計算する方が安全です。
Q3. 電線管のサイズを選定する際、電線の導体断面積と仕上がり外径のどちらを使いますか。
A3. 必ず絶縁被覆を含めた「仕上がり外径」から算出した断面積を使用してください。金属の導体部分の面積だけで計算してしまうと、実際には管に収まらなくなります。
Q4. IV線以外のケーブルを金属管に入れる場合の選定表はありますか。
A4. CVケーブルやVVFケーブルなどは、種類やメーカーによって外径が異なります。固定の選定表を使うよりも、カタログ等でケーブルの外径寸法を確認し、その都度占有率計算を行うのが確実です。
Q5. 配管の曲がりが多い場合、サイズアップの目安はありますか。
A5. 直角の曲がりが3カ所を超える場合や、配管長が30mを超える場合は、通線時の摩擦抵抗が極めて大きくなります。このような条件では、計算結果よりも1サイズ上の管を選定することが推奨されます。
Q6. 弱電線と強電線を同じ電線管に入れてもよいですか。
A6. 原則として、電力線などの強電線と通信線などの弱電線を同じ管に収めることは禁止されています。ノイズによる通信障害や感電のリスクを防ぐため、必ずそれぞれ別の電線管で施工してください。
まとめ
電線管のサイズ選定は、電気工事の安全性と作業効率に直結する重要な要素です。
E管やC管といった管の特性を理解した上で、内線規程に基づいた正しい占有率計算を行う必要があります。
実務においては、計算上の基準を満たすだけでなく、通線作業のしやすさや配管の長さを考慮して余裕を持ったサイズを選ぶことが大切です。
今回紹介した選定表や計算手順を活用し、安全で確実な電気設備工事を実現していきましょう。