プルボックスサイズの計算方法!内線規程と接続本数から導く決め方
電気設備工事においてプルボックスのサイズ選定は配線の施工性や安全性を決定づける重要な工程です。
サイズ選定が不適切だと電線が収まりきらなかったり屈曲部に負担がかかったりして事故の原因になります。
本記事では内線規程の基準に沿ったプルボックスサイズの計算手順を詳しく解説します。
接続本数や屈曲の有無を踏まえた計算方法をマスターし施工現場でのトラブルを未然に防ぎましょう。
この記事を読んでいただきたい方
プルボックスの適切なサイズ計算方法や内線規程の算出基準を知りたい現場担当者の方。
配管の接続本数や電線の本数が多くボックス内への収まりに不安を感じている施工管理の方。
配管屈曲部や貫通部で安全かつ作業性の高いボックス選定を行いたい電気設計者の方。
この記事を読むとわかること
内線規程で定められているプルボックスサイズ計算の基本ルール。
直通配管や屈曲配管など配線ルートに応じた適切な寸法の算出手順。
接続本数やケーブルの太さからきれいな収まりを実現するための選定のポイント。
現場での施工トラブルや配線損傷を防ぐための寸法選びの注意点。
内線規程に基づくプルボックスサイズ計算の基本基準
プルボックスのサイズは引き込む配管の太さや屈曲の有無によって決定します。
内線規程では電線の被覆を傷つけず安全に入線作業を行うための明確な計算基準が定められています。
規定された計算値を満たさない小さなボックスを使用すると電線の損傷や施工不良につながります。
まずは配線ルートが直線か曲がりを含んでいるかを確認し正しい計算式をあてはめることが必要です。
直通配管におけるボックスサイズの算出方法
同一壁面で配管が一直線に貫通する直通配管の場合、計算は比較的シンプルになります。
内線規程における基本的な基準は接続される配管のうち最大の呼び径の8倍以上の長さを確保することです。
たとえば最も太い配管の呼び径が50mmである場合、ボックスの長さは50mmの8倍である400mm以上が必要となります。
この寸法を確保することで入線時の引張応力を抑え、電線を引き出す作業を円滑に進めることができます。
同一面に複数の配管が接続される場合は、配管同士の間隔や端部からの距離も考慮して幅を決定します。
屈曲配管におけるボックスサイズの算出方法
配管が直角に曲がる場合や異なる方向から入る屈曲配管では、より広いスペースが要求されます。
屈曲配管におけるボックスの寸法は、最大配管呼び径の6倍に他の配管の呼び径の和を加算して算出します。
具体的には一番太い配管の呼び径に6を掛け、そこに同じ面に入る他の配管の呼び径を足し合わせます。
算出された数値が、配管が接続される対向面までの最小距離となります。
配管の接続本数が増えるほど加算される数値が大きくなり、必要とされるボックスサイズも拡大します。
屈曲部では電線の許容曲げ半径を守る必要性があるため、十分な奥行きと幅を確保することが鉄則です。
| 接続形態 | 内線規程による基本計算式 | 施工時の注意点 |
| 直通配管(ストレート) | 最大配管呼び径 × 8倍以上 | 電線の引き出し作業に必要な対向距離を確保する |
| 屈曲配管(曲がりあり) | (最大配管呼び径 × 6倍)+ 同一面の他配管呼び径の和 | 電線の許容曲げ半径を考慮し無理な屈曲を防ぐ |
| 多接続配管(分岐多数) | 計算値 + 接続本数に応じた余裕代 | 端子台設置や線心の収まりを考慮してワンサイズ大きくする |
接続本数と電線の収まりを意識したサイズ選定のコツ
内線規程の計算式で出た数値はあくまで施工を安全に行うための最低限の寸法です。
実際の現場では配管の接続本数や入線するケーブルの束によってボックス内の密度が変化します。
接続本数が多い現場では計算上の最小寸法通りに施工すると電線が収まりきらない事態が発生します。
実作業での作業性や将来的な増設を見越したサイズ選定の考え方を解説します。
電線の太さと接続本数による余裕度の持たせ方
ボックス内に多くの電線が集まる箇所では接続本数に応じた容積の余裕が必要です。
特に幹線から多くの分岐回路を出す場合、電線の接続点や接続具がボックス内を圧迫します。
計算上の最小寸法に対して一回り大きい規格サイズのプルボックスを選ぶのが実務での基本です。
既製品のサイズ展開に合わせて200mm角、300mm角、400mm角など余裕を持った選択を行います。
収まりに余裕を持たせることで電線の熱がこもりやすくなる問題を防ぐ効果も得られます。
配線の曲げ半径とボックス内の収まりを改善するポイント
太いCVケーブルなどを引き込む場合、電線固有の許容曲げ半径に注意しなければなりません。
ケーブルは無理に折り曲げると内部の導体や絶縁被覆が傷つき漏電や断線のリスクが高まります。
ボックス内での電線の収まりを良くするためには、ケーブルが描くゆるやかなカーブを計算に入れます。
特に多芯ケーブルの接続本数が多い場合は、縦横の寸法だけでなく奥行き寸法の確保が重要となります。
奥行きが浅いボックスを選ぶと蓋を閉める際に電線を強く押し込むことになり施工不良の原因となります。
施工現場で直面しやすいサイズ選びの注意点
現場では配管の打ち込み位置がずれたり、予定外の配管追加が発生したりすることがよくあります。
計算ギリギリの寸法でボックスを手配してしまうと、このような現場の変更に対応できなくなります。
またアース端子や中継用端子台をボックス内部に設置する場合はそのスペースも差し引いて考えます。
器具の取り付けスペースを考慮せずにサイズを決めると配線作業が極めて困難になります。
設計段階で接続本数の上限と内部設置物の有無を確認し、余裕ある寸法設定を心がけましょう。
よくある質問(FAQ)
Q1. プルボックスのサイズ計算で内線規程を守らないとどうなりますか。
A1. 内線規程に満たないサイズを使用すると電線の入線作業時に被覆が擦れて破損する恐れがあります。また作業性が著しく低下し施工不良や発熱事故の原因となります。
Q2. 直通配管で最大配管呼び径が31mmの場合の最小サイズはいくらですか。
A2. 直通配管の基準である8倍を適用し、31mmに8を掛けて248mmとなります。実務では余裕を見て250mm角以上のボックスを選定します。
Q3. 同じ面に複数の配管が接続される場合の屈曲計算はどう行いますか。
A3. 最も太い配管の呼び径を6倍し、その面に接続される他の配管の呼び径をすべて足し算します。その合計値が対向面までの必要寸法となります。
Q4. プルボックス内部の電線の収まりを良くするための基準はありますか。
A4. 電線の許容曲げ半径を確保することが第一です。ケーブル径の6倍以上の曲げ半径を確保できる十分な深さと幅をもったボックスを選びます。
Q5. 接続本数が多い場合に計算値より大きなボックスを選ぶべきですか。
A5. 接続本数が多い場合は計算上の最小寸法では接続部品や線心で溢れることがあります。現場での作業性を考慮してワンサイズ上の大きさを選ぶのが推奨されます。
Q6. プルボックスの深さ(奥行き)はどのように決めればよいですか。
A6. 接続される配管の外径やロックナットの寸法に加え、電線を曲げて納めるためのスペースを考慮します。一般的には配管外径の3倍から4倍以上の深さを目安にします。
Q7. 強電線と弱電線を同じプルボックスに入れても問題ありませんか。
A7. 原則として強電線と弱電線を同じボックス内に収めることは禁止されています。ノイズの干渉や事故防止のため隔板で仕切るか別のボックスを用意する必要があります。
まとめ
プルボックスのサイズ計算は安全な電気設備を構築するために欠かせない施工プロセスです。
直通配管の8倍ルールや屈曲配管の6倍加算ルールなど内線規程の算出基準を正しく理解しておきましょう。
また実際の施工では接続本数や電線の曲げ半径を考慮し、ボックス内の収まりに余裕を持たせることが大切です。
現場の状況に合わせた適切なサイズ選定を行い、確実で安全な配線作業を実現してください。