ケミカルアンカー・金属系アンカーの施工方法概略
まずはボルト径にマッチしたケミカルアンカーのドリル径を選んで、
ハンマードリルなどを使ってコンクリートに穴を開けます。
ここでドリル径が適切かどうかと穴の深さに注意してください。
もし間違ったドリル径で穴を開けてしまうと、引抜強度を最大限発揮できないからです。
次に穴の中をブロアーやブラシなどで掃除し、カプセルを埋め込みます。
ハンマードリルなどにボルトをセットし、打撃・攪拌しながらボルトを挿入していきます。
打込みタイプは、ハンマーでたたき込むだけです。
硬化時間を確認し、ナットで躯体を取り付けてください。
ケミカルアンカーの硬化時間は種類や外の気温によって大きく変わってきます。
カタログなどに硬化時間が掲載されていますので、しっかり確認しておいてくださいね。
使用できるボルトは寸切りボルトや異形棒鋼です。
攪拌タイプのケミカルアンカーを使用する際は、
先端を45度にカットしたケミカル用寸切りなどを使用し、
打ち込み式のアンカーを使用する際は、先端を斜めカットする必要はありません。
攪拌タイプのケミカルアンカーには
HILTIのHVU2、
旭化成のHPアンカー、
APアンカー、
日本デコラックスのRタイプ
などがあります。
また、
HILTIのHIT HY-200・旭化成のカートリッジタイプEX-500やEX-400、
日本デコラックスのEL-350は
二液混合のガン注入タイプであり、穴径や深さに関係なく使用できる商品です。
打込み式アンカーと同様に平先の寸切り・D筋を使用します。
二液混合の注入式アンカーの場合は、打込む必要はなく、回しながら挿入していきます。
事前にナット・ワッシャーを組み込んでおく必要が無いので、作業の省力化が計れます。
◆1つ目は芯棒打込み式です。
このアンカーには、オールアンカー・ネイルアンカーなどが有り
芯棒を内側に打ち込むことによって、本体端部の拡張部を押し広げるアンカーです。
ハンマーで打ち込むだけの簡単施工で、専用の打込み工具も特に必要有りません。
芯棒の打込み完了で作業終了なので、目視で施工終了の確認ができるというメリットが有ります。
打込み式アンカー全てについて言えることですが、打撃力で母材(コンクリート)にストレスが掛かり、ひび割れ・剥離などが発生することがありますので、
へりあきやアンカーピッチに留意して、過度の打撃力を加えないことが肝要です。
適切な重さのセットハンマーの使用。また、ハンマードリルを使用する場合は、
バランスの取れた機種・適切な(機械式)打込み棒で施工することが望まれます。
◆2つ目は本体打込み式です。
この本体打ち込み式アンカーにはグリップアンカー・カットアンカーなどが有ります。
溶接アンカー、石引アンカーもこのタイプのアンカーです。
アンカー本体の拡張部にテーパー付きコーンをあらかじめセットしておき、
もう一方の本体端部を専用打ち込み棒を使用して打ち込むことによって
コーンのテーパー部に沿って拡張するアンカーです。
雌ネジアンカーなので、取付物に応じてボルトの長さは自在に選ぶことが可能です。
穿孔径が太目で施工に時間が掛かるので、
近年では使用されることが少なくなっている傾向です。
◆3つ目はスリーブ打ち込み式です。
このアンカーは、スリーブ、テーパー付きボルトから構成されており、
スリーブの一端を専用の打ち込み棒を使用して打ち込むことによって、
スリーブがテーパー部に沿って拡張するアンカーです。
通称で、ボルトアンカー・セットアンカーなどが有ります。
追随拡張性が有り、
高い引抜強度(地震などで起こるひび割れにもある程度対応します)を持っています。
天井面から機器を吊り下げる用途にも適しています。
穿孔径が太いのがやや難点です。
◆4つ目は内部コーン打込み式です。
本体に内蔵しているコーンを専用打ち込み棒を使用して打ち込むことによって、
コーンが本体末端部を拡張するアンカーです。
HKDアンカー・CTアンカーなどが有ります。
中・軽量物の取付けに、現在主流のアンカーです。
ただし、天井面への施工には不向きです。
阪神・淡路大震災以降の設備耐震指針では、
M6~M12で0.5kn
M16以上の物でも0.8knの引抜強度しか認められていません。
◆5つ目はウエッジ式です。
このアンカーは、打ち込み式と異なり、付属のナットを締めつけることによって施工します。
トルクレンチを使用して指定のトルク値まで締め付けることで施工を管理します。
やや手間は掛かりますが精度の高い施工品質が得られます。
HSAアンカー・トルコンアンカー(ウエッジ式)等がこのアンカーに当たります。
穿孔径が細いので施工がスムーズです。
追随拡張性も有しておりますので、デッキプレートへの施工など、
天井面への施工に適しています。
◆6つ目はコーンナット式です。
これも締付け方式のアンカーです。
内ネジの付いたコーンナットを締めつけることにより本体下部の拡張部を拡げることにより
アンカーを母材に固着させます。
QCアンカー・イージーアイアンカーなどが有ります。
とりわけこの2点のアンカーは、天井施工専用のアンカーで、高ナットが一体になっております。
各々方式は違いますが、施工終了と同時にトルク管理も完了する優れものです。
(トルクレンチを使う必要が有りません)
追随拡張性も備えておりますので、安定した引抜強度を維持します。
◆その他
このほか、締付け方式のアンカーには、
テーパーボルト式 ダブルコーン式の2種類が有ります。
テーパーボルト式の固着原理は、
コーンナット式とほぼ同様で、コーンナットの代わりに
テーパーボルトが本体を拡張させてアンカーを母材に固着させます。
ダブルコーン式は
主に重量物の取付けに用いられるアンカーで、
HSLアンカー・サンビックアンカー等が有ります。
ダブルコーンの働きで本体側が平行拡張し、より強度な引抜耐力を発揮します。
◆番外編
JCAA(あと施工アンカー協会)の金属アンカーには分類されておりませんが、
天井施工用として、ネジ込み式のアンカーが開発されております。
HUS SC-6と言うHILTI社の商品ですが、
高ナットとスクリューが一体になったアンカーで、
母材(コンクリート)にインパクトドリル・インパクトレンチを用いてネジ込みます。
下穴がφ6と細いことから、デッキプレートへの施工には抜群の施工性を発揮します。
引抜強度・せん断強度もコーンナット式のアンカーとほぼ同等です。
弊社で取り扱いのアンカーは以下に取り揃えております。
様々なアンカーを全て揃えておりますのでお気軽にお問い合わせください。
お気軽にお問合せください
HILTIのハンマードリル初号機 TE17をご存じでしょうか。
ブルーグレーの本体に赤いハンドル、もう50年近く経つ機種です。
エアロニューマチック機構を 搭載、今では、ごく当たり前の
機能ですが、当時は革新的で
素晴しい穿孔スピードでした。
さすがに、もう見かけることは無くなりましたが、数年前までは、現役で活躍しているご老体もおられました。
今もこの高性能・高耐久性は、
変る事なく息づいております。
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その品質にご納得頂けると確信しております。
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